黒猫/海月
 
えるかどうかだろう
零す白煙は空に高く昇る

冷たい雨を全身に受けマッチは湿気っている
火が付けらない煙草を咥えて
黒猫を探し出す
まだ腹を空かすアンタにこれを届けたい
チーズカマボコ
食べるかどうかは解らないけど
これくらいしかアンタが食べそうなものは無いんだ
暗闇の中でアンタは目の前に現れた
差し出した食べ物には目もくれず
一言鳴くだけ
それは盗んだものだろう
見透かされた心にやり場の無い気持ち
ポケットの方にアンタは来て鳴く
貴方に供えたアンパン
半分だけアンタにあげて
俺は暗闇の中を歩く
アンタと同じ道を・・・

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