黒田三郎詩集読書記/服部 剛
一
僕にとって大事なものをしまっている大きい封筒がある。その封
筒の中に、去年朗読会で年上の詩人・U さんに会った時にもらった
一枚の白黒写真のコピーが入っている。その写真は黒田三郎の葬儀
をした日の写真であり、亡くなった詩人の遺影の前に、永久の別れ
を偲んで喪服の詩人達が集っている。
最近僕は詩が書けないので、こんな時は、優れた詩を書いた先人
である黒田三郎の詩集を読み、そこから何か感じたことを記してお
きたいと思った。まず、「道」という詩についてだが、
道はどこへでも通じている
〜中略〜
それなのに
いつも道
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