気がつけば 結ばれていたのだ/
奥津 強
遠く こだまする 私の 耳は
琵琶の 音と 合掌の 声
今日 私は 狢が 首を くくる様を
見届けよう
みとどけよう
思っては
静寂に 患者を 五人 はべらかし
合掌を 聞いていた
その時 私らは 結ばれていた
狢が 姿を あらわす事もなく
空想であるという事も
認識していたが
合掌の 声が 幾人か の 患者達
であるから
夜は 終わらない
決して 終わらないのだ
その時 六人の 患者は
確かに 結ばれていたのだ
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