月夜/服部 剛
 
一日の仕事を終えて 
日誌のコピーをシュレッダーにかける 

箱の中に吸い込まれてゆく紙 
粉々になってゆく一日 
見下ろす私の影 

産声を上げた日から今日迄の 
私の年譜をシュレッダーにかけるなら 

粉雪の降り積もる闇に 
仄かな明かりは灯るだろうか 


( 箱の中に広がるもう一つの世界
( 月明かりに照らされた
( ひとすじの夜道を  
( 独りの人が歩いている 




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