七夕/海月
小さな果実を売り生活する君
僕に桃を一つを売ってくれないだろうか
そのやわらかさは何処か憂いを纏っている
モノクロの写真で写真展を開く君
色褪せることはないと小さく微笑む
その微笑みの奥の瞳は輝いていた
ハ長調の意味を教えてくれたのも君
音階も音程も何にも知らない僕に全てを教えてくれた
愛の形はいつも未完成の音色
落書きと言われても静寂に紛れて絵を描く君
月の孤独を背中に背負ってその重たい筆を動かす
セピア調の想い出を思い出す
青々しい若葉の間から零れる陽射しに瞬きをする君
伸び放題の雑草も生きている
そんなに罪を被らないで良いから
と、気休めでも言えただろうか
懐かしさと後悔は心の片隅で足並みを揃えている
子供の頃の様に無鉄砲でいられた良いのに
僕らは心の奥でいつも願っている
今宵七月七日(たなばた)に一つ願いをかけてみます
もう一度、君に会えます様に・・・
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