現実が吐く優しい嘘/海月
 

僕はいつも独りで泣いていた

ねぇ 母さん

もう、葵さんじゃなくて良いのかな?
貴方を母さんと呼べずに抵抗した日々
今は懐かしく思えるよ

アスファルトに咲く花
煙草の吸殻を横目に置いても
今も輝かしく咲いている

ねぇ 母さん

時々、声を聴きたくなるよ

寂しいんだ
哀しいんだ
心 開けなくて・・・

萎れた青菜の様に
僕の背骨も自分の体重を支えきれずに
前側に萎れている

ねぇ 母さん
ねぇ 母さん
ねぇ...ねぇ...
ねぇ...ねぇ...

貴方が居なくなったら
パズルは完成しなんだよ
やっと、気づいたんだ
現実が優しい嘘を吐いていたことを
実際は平気ではないと・・・

ねぇ 葵さん
ねぇ 母さん

今までありがとう

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