エルゼ、美しい人よ/
AKINONA
エルゼ、美しい人よ
お前の語る異国の物語は何と美しいことか
いつか私も連れて行っておくれ
私の知らぬ極彩色の花々が
むせかえるように甘い香りを漂わせる
灼熱と情熱に満ちた南国の丘へ
喧噪にまみれ活気に溢れ
その一粒が何万もの金にも勝る
火の粉のように赤い香料の並んだ市場へ
私はこの老いた手で
真っ白な帆を張った船の手綱をとろう
エルゼ、しなやかな腕の水先案内人よ
冒険心に富んだ美しい人よ
いつか私も連れて行っておくれ
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