「 0 」 /服部 剛
 
から
( 「誰かの瞳」が、君の姿を見ているよ。 
( やがて吹く風は、
( 萎(な)えていた君が花開く場所へ、
( 連れて行くだろう。 

青年の耳に、七年後の彼の声は聞こえなかった。 

職場の門に「0」の文字が浮かんでいる。 

寂しく夕陽を見つめる青年を見つめながら、
彼は遠ざかり、振り返り、再び口を結ぶ。
「七年後の宿題」が待っている日々へ。

「0」を潜り抜ける。 







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