*詩禁止令第三条*/かおる
 

バルカン州バーゲン群河馬市に禁止令が乱発され始めたのは第九代市長、スティーブ・マグワイヤーが就任して、やっと半年が過ぎてからである。挑発的なスローガンを愛している彼の就任演説では七五調の景気のいいリズムにのせ、韻を踏みまくってみせていた。先代市長、鼻芋与一の少年買春を47人の若手議員とともに現場に押し入って暴露し(神楽堂ホテル事件)、「河馬義士いろは48人衆」とまで呼ばれたマグワイヤー派が市議を牛耳ってから、種々の言論統制とも取れる条例が施行されだしたから堪らない。
まず五七調か七五調のリズムに乗らないとしゃべる事叶わず、文語調の詩歌の教則本がバカ売れしたまでは良かったのである。少子化対策と
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