君の大好きなメロンパン/こめ
 
きなメロンパンでも一緒に食べようね

君のぼろアパートにつき

急いで今にも崩れそうな螺旋階段を上り

君のいる419号室に向かった

合い鍵を使い

いきよいよく開けた扉の奥は

暗闇だった

僕はそっと電気をつけて君は捜した

案の定君はすやすや夢のなかで

冒険中だった

ゆっくり手を頭につけてなでてやると

君は目を覚まして

眠そうな凍えるようなかすかな声で

「おかえりなさい」といった

「ただいま」と僕は帰した

こんな些細なことに

胸一杯の愛が感じられた



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