ポケットの中/海月
 
いつしか空になっているポケット
それはお金や定期じゃなくて
子供の頃に夢なんだ

学者やパイロット
友達は大きな希望を抱いて
日常を馬鹿げたように過していた
笑い転げていたんだっけ
悩み事といったら宿題ぐらいで・・・

あの頃に描いた卒業文集
大きな希望もなしにサラリーマン
父の真似をしていることが一番格好良かった
大きな背中に少しでも近づきたかったんだ
今は少しだけ追い越した気がしたんだ
たった二歩ぐらいだけど

鞄の中に詰め込んだ
愚痴や企画書の数
その下にそっと隠れた
初恋の人の思い出
誰にも見せないように上手に隠
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