乳房〜その1/
黒田康之
て
そのひしゃげた乳房の形に
闇夜がずんずんと僕らに来て
僕たちは今夜
その闇の中で眠るのだ
女の脂肪が仮構ならば
僕の
おまえの
君の何が
僕なのだと
君なのだと
いい言い切れるのだろうと
判っているから
今年一番短い闇夜を寝よう
君の乳房と
おまえのビールの匂いに
当たり前の
次の日ってやつが
どうしようもなくやってくるように
祈りながら
怯えながら
僕はすべての友人と
すべての恋人と
すべての自分のために眠る
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