Lara/GGP
1
ビルの屋上。
振り返るとそこには長靴が落ちている。
黒くてピカピカとひかる長靴。
でも片方だけ。
片方だけの長靴って、長靴と言えるんだろうかとふと考えた。
電話が鳴る。
「もしもし」と僕は電話に出る。
2
トーテムポールが倒れる頃、砦では、長い篭城に疲れ果て
最後の戦いに決意を燃やしている王たちがいた。
本を閉じて、コーヒーを飲む。
そしてドアのチャイムが鳴った。
ドアを開けると、血まみれでどろどろの格好をした彼女が
突っ立っていて、ちょっとシャワー貸してくんない?と言った。
どうぞ、といって僕はバスタオルを用意して、シャワーの
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