遠近法/
霜天
誰かがその両手に言葉を沈めた
すべての夜が時間通りになっていく
長い石段のその先で祈り続けてみた
世界はそんなふうに縁取られて
三十回目の離陸の後で
飛び立つ行方のさらに遠くをご覧なさい、と
何重にも見守られている
見つめているはずの遠くの窓から
近くから、遠くへ
切り替わる視点の素早さで
僕らは去っていきますか
祈る言葉よりも近く
零した言葉より、遠く
すべての夜は奥行きを、ここに残していくように
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