まわるチカテツ/しでん
白んだ夕焼け見て
温い音を鳴らして鼓動している
眼球の裏が冷めた目で僕を見ている
揺れる揺れるチカテツは揺れる
まわるまわるチカテツがまわる
平然と踏みつけているこれは
唯一友人と言える存在であり
僕を何処にでも連れて行ってくれるんです
いつもと違う景観の感じが
みしみしと音を立てて訴えかけてくるけど
僕はそれを無視することを生業としているんだ
何も言わずにチカテツは揺れる
ただ淡々とチカテツはまわる
夕陽が僕を追いかけるのをやめた時には
きっと家路に向かうべく動き出すだろう
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