獅子/
海月
眠れぬ獅子は途方に吠える
荒地に吹く風は砂嵐
帰る場所もなく
当てもない道中
険悪にサボテンは棘を纏う
花は咲かす気配を感じれない
星と月は水面に姿を写す
舐めては微かに揺れる
今宵、汝の身にも風が叩きつける
旧友の死を知らす
余韻は銀色に光る体毛
足跡は静かに地に沈み
明日の行方を見守るだけと化す
眠れぬ獅子の咆哮は続く
響き声は哀しみの歌
今日もその声は止まない
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