【長歌】とある夏の日/
AKINONA
恋になる
前に終わった
恋心
うだる暑さの
夏の午後
「そんなもんさ」と
言い聞かせ
「ああ、それでも」と
後悔し
「もし言えたら」と
思い馳せ
言えぬ思いが
癒えぬまま
とぼとぼ歩く
アスファルト
そんな私は
ただ一人
都会の砂漠の
巡礼者
ビルの向こうに
日が落ちて
月とネオンが
こうこうと
寂しい心を
照らし出す
そんな光に
導かれ
涙の川の
さざめきと
思い出だけが
支配する
恋の跡地を
さまよう夏の日
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