夕暮れ/蒼木りん
お人形のように光る私の毛
友達という言葉が
薄ら寒い背中
どこか
遠い町の観覧車
危うい鉄骨の錆色
ごめんなさい
人肌は
暗い布団の中でだけ
青いワンピースは
もう着れない
ペディキュアも
もう私
女じゃないから
ここにはないものを探しに
いつか出る旅を
そのチャンスを
これから永い間
生きる糧にして
そんな哀しい顔しないで
私のことなんて
どうでもいいくせに
そんな
在り来たりの台詞を
口にするのも
次に出る駒がなにかも
分かるようで
面倒くさくなって
崩れながら
車の中で仮眠する私に
誰もかまわないで
のっぺらぼうのお客ばかりの喫茶店で
お茶しないかって
時々誘ってください
眺めるだけの回転木馬
知らない町の路地裏に
あの人と
折りたたまれていく夢を見て
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