ラスト・ショー/しゃしゃり
の映画は、いつか、見たことがある。
悲しい映画だったような気がする。
無愛想な名画座の窓口で、その映画について尋ねる。
上映は先週で終わってしまったという。
女はそうですか、と言ったきり、
ビジネスホテルに帰って、
買ってきた缶ビールを立て続けにあける。
いま、どこかの名画座で、あのときとは全く違うラストシーンが、
上映されているような気がしてくる。
うまくいくわ。
そう、こんどこそ、きっと、うまくいくのよ。
女はその映画館に今すぐ行きたいと思う。
だけど、どこへ行けばいいのかわからない。
女はベッドに突っ伏して泣く。
いまごろのように、声をあげて泣き続ける。
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