抹殺/蒼木りん
嫌っていたものの中で暮らしている
これって
皮肉っていうんだろうか
もう
どうでもよくなっている
拘っても
嫌がっても
どうしようもなく受け入れなくてはならないことがあるから
これって
犠牲っていうんだろうか
そんなこと
思っていたら
やってられない
これでもかこれでもか
多勢に無勢
戦いを放棄した
援護者は
後ろにだれもいない
どうにでもしてくれ
自分では
自分のことが
見えないものだから
良いも悪いもわからない
テレビのチャンネル替えるように
何もなかったことのように
話しかけてくる
わがままな弱い人たち
他人に甘えた人たち
子どもみたいな大人
頭の回転がいいだけじゃ
わたし
好みません
わたし
は
風前の灯火とか
漂白剤に浸けられたふきんとか
塩をかけられたナメクジみたいなもので
消滅を待つ身かもしれない
これって
抹殺っていうんだろうか
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