プレーンオムレツ/海月
僕と君の卵(みらい)は混ざり合って一つとなる
菜箸(さいばし)を使い縦に混ぜ合わせる
熱したフライパンの上
乾き枯れた都会に似ていた
そこで出会った
水を持っている先住民族
それが君だった
一つになった卵を中心に落とす
過去の出来事は焦がれて消えた
全てを焼かずに残しておくこと
それがこの料理の基本
半分に折りたためば出来上がる
やさしさを纏った色
ナイフを入れれば半熟に出来ているから零れる
君の中に僕が入って溶け込んだ
抜け出した脱力感に似ていた
冷たくなったプレーンオムレツを
猫舌の僕が食べる
その光景を暖かいプレーンオムレツを
君が食べている
未来は同時には進まない
少しずつだけど共感温度は冷めていく
二人が冷蔵庫に入れられたら
その先に未来はない
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