かたつむり/
しでん
慣れない街では風がうねってて
目まぐるしく僕を迷わせる
どれほど背中を押されようとも
ブレーキを踏んだままなので
なんの意味もなかったんだ
傷だらけの中古車は
駐車場でたそがれて
夕陽に照らされながら 眩しく光ってた
帰れそうにないけど
帰らなきゃなあ
くらくらつぶやいて
サイダー飲みながら日没を待ってる
そうしてるうちに街は融けてゆく
ほろ
ほろ
ほろ、と涙のように
おかしな笑いを発しながら
かたつむりのように僕は歩きだす
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