突発即興詩会ログ/片野晃司
訳ありの慰めの音だ
子供の頃庭に葬った
雨の日に拾った仔猫の
墓があの辺りだな
()片野晃司 [2:08:48]電信柱が折れた朝(題:遊羽)
ある朝
電信柱が折れているのを見た
薄墨色の二本の線が
カーブの外へ逸れていき
電信柱の前で少し乱れて
そこで終わっている
空き瓶に挿した花
煙草の箱
電信柱はすぐに立て直され
そこへ続く二本の線は消え
花を挿した空き瓶は
雑草に埋もれて
今もそこにある
oldsoup [2:11:10]「蛇口の水」(題:片野)
静かに
泥を避けながら
動物ではなかったものを受け
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