十六連の愛情/海月
 
ットで減らしている
やっぱり五日以内で止めていた

元々形のないものを維持するのは難しい
例えば、色褪せていく思い出
例えば、昔の面影
例えば、目に見えない感情(あいじょう)

当たり前のように寝室は別になっていた
それは同じベットじゃ眠れなくなっため
些細な口喧嘩もそこに入っていた

愛情も温度を下がれば萎えてしまう
妻が彼女の時は違う
それは手の中に入ったからかも知れない
憧れは触れた瞬間に熱を失う

子供の頃、皆が持っているものを自分だけは持ってなくて
泣いて母親に縋り付いて買ってもらった日
一週間後には羨ましさは消えていた

萎えたり、失った
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