透明/しでん
 
ノイズを吸って吐いて
ため息を生産している
死ぬ間際のカートの声を聞いて
ほんの少し救われたけれど
まだまだ足りないんだ

枯れ葉がおれの前を舞って
ナイフの様に突き刺そうとする
右胸でも左胸でもお好きにどうぞ、と
半ば自棄になって差し出した

しかしすり抜けてしまう

瓦礫を持って投げて
砂利道を創作している
水際にてルーツを辿っていくと
意味がすべて奪われて消えた
新芽は生えないんだ

未来がおれの横を通り
バールのようなものを振り下ろす
右腕でも左腕でも勝手にしろよ、と
半ば自棄になって差し出すも

やはりすり抜けてしまう
透明のまま今が通過していく
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