朱色/
A道化
噤む蕾は
朱色の予感をいよいよ過密化させ
その内圧の快感に震えついに
耐え切れなくなる黙秘破る色彩という最も濃厚な
ひとつの呼吸を開く
と、既に色彩は、さらさら
さらさらと分解し始めている、その、分解のとき何故
白粉装うような香りが立つ、ああ、
わたしたちの春
朽ちてゆくという主題の、艶姿の
首筋ではなく、朱色の喉を
白粉を掻き分ける様にして、あなたたち
あなたたち、はやく愛でなくては
2006.5.21
戻る
編
削
Point
(8)