海/茜幸美
 
あの真夜中の海で

まわりの静けさを蹴散らすみたいに

ふたりでたくさんふざけて たくさん笑った

哀しみの入り込む隙間を

わずかでも作りたくなくて

とにかくひっきりなしに声をあげた

最期の悪あがきだと知っていたけれど


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