都会の蜃気楼/こめ
 
もう都会は

もう蜃気楼しか見えなくて

本物のか現実か分からなくなっているよ

マンションから吹かれるつむじ風に

冷たさを覚えた

誰もいないプールサイドで

服を着たままでプールに飛び込んだ

真上を見れば

月明かりのカーテンがさしこむ

未知の世界が拡がり

そこはもうプールではなく

異世界とかしていた

ゆっくりと時間は流れていき

血液の流れが体にも伝わってきていた

未知の世界の中で

迷子の妖精が

ヒラヒラと舞って道を尋ねてきた

僕も知らないから一緒に捜してあげるよ

路地裏のゴミをあさる

黒猫がこちらをにらみつける

都会はもう汚れきっている

現実と妄想が重なり合い

やがて破壊を生み出す

この衝動は消せない

破壊の連想が鎖のように繋がって

未来に思いを託しながら

いちとゼロのデータとかして

運ばれていく


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