ある人の心境/海月
隣の学生は予備校に通い始めた
先程に帰宅をした
少しだけ湿っている五月の夜風
梅雨はすぐそこまで来ている
月は欠けてもその光は落ちてない
輝きは落ちない
僕の存在は単純に星のよう
表現力は当たり前のよう
誰も傍にいない夕食を済ませ
インターネットを繋ぎ
誰かと関わりを保つことで傍に誰かがいると思える
思えると思っていたい
一人になりたいと思っている方へ
僕と交換してくれませんか
と思っていた
数年前を懐かしく思う
六月はジューンブライド
社内でも結婚騒動が起きた
おめでとう
ありがとう
ちっちゃな言葉に少しだけ涙ぐむ
震える手で握手を交わした
荒川の土手をスーツ姿で走るのは不似合い
草野球を楽しむ小学生
その姿を遠めで見つめて
小さな幸せを噛み締める
僕は明日からたった一人を守れるのだろうか
急に五月晴れに不安なってしまう
ボールを捕ってください
僕は大きく青空にボールを投げた
不安は喜びに変わっていくのを感じられた
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