帰り道/
 
いのであって、世界を救うことを見捨てたからヒーローになれないんだと、そう思ってしまう瞬間がある。ぼくは本当に努力をしていれば、新しい飛行機器の開発に携わっていたかもしれないし、救急救命士やそんな職に就いていたかもしれない。それは誰にも疑うことは出来ないし、もちろん自分すら例外じゃないはずだ。ぼくは寂しい人間に育ってしまった、そんな気がする。何か必死になって打ち込めるものはもちろんあるし、それに向かって頑張っている。でも、あの頃のみたく、好きなもの全てに情熱を燃やすことは出来ない。とても寂しいことじゃないか。あの情熱がもう一度戻るなら、ぼくはスーパーヒーローになって世界を救いたいし、大空を自由に飛び回りたい。
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