詩人/藤原 実
 
ほろびゆく誘蛾灯の王国
歯の隙間から意味だけがこぼれる

時代に捨てられた魂の
残り火を素足で踏み消しながら
蟹のように横向きに歩く

唯一の炎を旗として残すために
わが身を投げ入れる


炎よ 燃えさかれ
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