砂時計の刻印/風涼
生まれ落ちた刹那 知らずに交わした彼との契約
知ったのは 知識と言う名の塗料に心が染められた頃
私の手に握られた 小さいな砂時計に心底怯えた
誰が決めたのか それには全ての終焉が刻まれていた
不条理な契約に憤慨するも後の祭り 時は止まらない
望まずとも砂は無情にも目減りする 冗談じゃない
決して削れぬ刻印を見つめ 出るのは溜め息ばかり
知識の泉は 絶望と言う名の結論を与えてくれた
再交渉を望んだところで もはや叶わぬ夢でしかない
難題はまだある それは絶望しても終わらないことだ
見かねた彼が教えてくれた 好きにすればいいよ、と
契約は終焉の瞬間にのみ有効な 彼との
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