青い橋に彫った相合い傘/こめ
行き先も分からず
街の静けさに寒気を感じた
君と手を繋いでわたった
青い橋は壊されていった
いつもお金のない僕らは
一日の大半を散歩についやし
この青い橋の上で
お互いの気持ちを確認しあい
互いの思いを分かち合った
夕暮れに溶け出す景色に
感動し涙を流し
ふたりで一緒に歌った
思い出の歌や
互いの愛、思い、気持ち、感覚、心、その他
かずえ切れないほどの
思い出が橋がこわされていくにつれ
瞼の裏に焼き付けられていた
君の笑っている顔は
いつしか悲しみで満ちた泣きじゃくった顔になっていた
[次のページ]
戻る 編 削 Point(4)