折れずに伸びよ、タケニグサ/日雇いくん◆hiyatQ6h0c
心臓が、駆け足で鼓動を打つたびに、そこだけが、他の身体を残してほんの数ミリ浮かびあがってしまうような、激しい痛みだった。そして自らが起こしている鼓動に呼応して、ますます強く反応してしまい、やがて身体の外に出てしまうのではないかと思う程、激しくなっていった。
普通に歩く事は出来なくなっていた。顔からはネットリとした脂汗が噴きだし、手足も痺れているように震えて、蹲る事くらいしか出来なくなった。それでもなんとか、そんな状態の手を強い気持ちで抑えるように頑張りながら、携帯電話で会社に連絡した。そうしてから、時間をかけつつ、身体をごまかしながら動かして、這うように病院に辿り着き、診察を受けた。
「特
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