折れずに伸びよ、タケニグサ/日雇いくん◆hiyatQ6h0c
タケニグサはケシ科の多年草。毒草であるが、虫刺され、便槽に沸く蛆などへの殺虫剤に昔はよく使われていたそうだ。
私がこの草を知ったのはかなり小さな頃からだった。中空になっている茎を折ると、黄色い汁が滲むように出てきたので、それでよく絵など描いてあそんでいたものだ。実家が森に近く、何時とはなしに誰かから聞いて、よく生えていたこともあって覚えたのだろう。
別に何の変哲もない、どこにでもある田舎の森だった。さして植物に興味はなかったから、スギの木が多かったこと以外にはよく覚えていないのだが、多分同級生の誰かにそんなことを教わったのだろう。クラスの中に一人や二人は、そういう置かれた環境を巧く利用し
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