風船はどこまでとんでいくのかな?/こめ
どんどん沈んでいく太陽が
真っ赤に燃えていた
見とれていて僕は今日がもうすぐ終わると感じた
今日が終わり明日が来る
今日も何もしなかった僕にも明日が待っている
ほとんど空気が入っていない
風船が空から降りてきた
一体どこから飛んできたんだい?
宇宙まで飛んでいったのかな?
宇宙人にあったかな
そんなくだらないことを考えながら
しぼんだ風船をまたふくらませた
空気がぱんぱんに入った風船は嬉しそうに
笑って手を離すと
また空のかなた消えていってしまった
僕は太陽が最後まで沈んだのを見送ると
自転車にまたがり
坂を走り降りていった
選ばれること無かった僕が
僕しか選ばれることのない
一番星の光を手にいれた
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