貧女/奥津 強
 
女は いらない 男共々 土に 埋まり 花を 咲かせるのだ
貧女が 老女が 私を 癒す事はない

新しい 時代の 先駆けと なるのが 女なのは 分かるので
花を 咲かす 土地から 土地へと 埋もれた 青い 花々の
先端部分が あの 私から 姦淫を 奪い取っていった 女だと
気がつく事は 男どもの 詩を 見れば 明らかだ

貧女よ 夜の 山に ランプで 明かりを 灯せ
ほら 子供達が 上っていくだろう

段々と 私の 町には 貧女しか いない
空恐ろしいのは 貧女であろう

私は 官能を 捨てた!
私は いまや 新時代の 人間と 化しておる

優しい 物乞いである

ならば
貧女と 銀婚式を あげねばならぬ

人の いる 地にて
人が いなくてはならない

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