枯れた花は君のせいで枯れた訳じゃないよ/こめ
記憶の奥に忘れられた記憶が
ひっそりと泣いていた
色あせしていた僕が君を書いた
似顔絵は何も言わずこっちを見て
ほほえみかけている
君が一生懸命育てた花は
枯れていった
君がここに居ないから
この花は枯れていった
なんで君は居なくなった
花はもうしおしおになり
土は干からびていた
僕が手入れをするなんて
一言もいってないよ
とぎれなく行き交うひとたちは
無言のまま通り過ぎた
寂しいけど悲しいけど
君が咲かせた花は
もう咲かすことなく
息絶えた
悲しみの中で
僕は何を学び
何を手に入れた
君のせいじゃないよ
君といつか話した言葉は
僕の脳裏に焼き付き
根をはった
心はそう赤い糸でつながっているんだ
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