たいようはぼくらのてき/日雇いくん◆hiyatQ6h0c
週末だから町外れのスナックで朝まで飲もう、と言われたのだが、恐怖を覚え、
「イヤ!」
と叫んで、思わず逃げてきてしまった。なぜか服装が乱れるほどに走った。
いい人だと思うのだけど、まだ心の準備が出来ていなかったの、だった。
その足で家路に着き、パフで簡単に化粧を落としてからなんとなくテレビをつけ、一息つく。
「ああ、私ってダメだなぁ……」
別にもう少女でもないのに、未だに男の人と恋愛に落ちる事もできない自分を、私は自嘲した。
テレビの画面が楽しげな光景を映していた。高校生くらいの年齢だろうと思われるタレントが人気俳優とはしゃいでいるのが、今の私の心に突き刺さる。
「
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