欠けら/半知半能
優しい顔の朝は嫌い
やるせない正午の空気が嫌い
やがてくる夕刻のわざとらしさが嫌い
夕焼けの終わりに
ゆらりと一瞬揺れる炎は少し好き
酔ったように戯れる星光が好き
よそよそしい太陽の熱が放射されるのが好き
余計なものが見えなくなるのが好き
(ようやく夜が始まった)
妖精たちも眠りにつくこの時にこそ私は生まれたかった
夜は私の時間です
夜は私の時間です
夜は私だけの時間なんです
呼ぶ声に私は
良い予感もなくいつも通りに部屋の鍵を閉め
夜明け色の布団をかぶって少し泣いて寝た
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