目覚め/海月
 
流れ浮雲を鉛筆で追い越す
陽射しは思っている以上に暖かい
黒板に教師は知らぬ記号を並べる

校庭を走り自分の全力を越える
僕らは飛べるかもしれない
群れから離れないように飛ばない
抑えるのは自主規制

夢を簡潔に述べることは出来ない
ただ複雑に述べることも出来ない
今は夢を描き出す術を考える

太陽はこんなにも明るい
空気はこんなにも熱い
空はこんなにも高い

知らないことは多すぎる
海に魚がいること
どうして不思議に思わないのだろう

午後の風は何処かで夢を運んで来てくれたみたい
目覚めはそれほど悪くないから
僕は優しい夢を見ていられた

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