二月に/竹節一二三
 
空がゆっくりわらうから
わたしはよるを待ちました
つきはわたしを見下ろして
二月はさむいといいました

雪もふらないのに何を
ふくらみはじめたつぼみを前に
ぱちんとひとつ音たてて
わたしは明かりをつけました

やわい毛布にくるまって
ひとりで星を呑みました
よるは静かにやってきて
わたしの頭をなでました

二月の空はすきとおる
つきの沈んだくらいよる
わたしは目を閉じ屋根の上
懐炉を抱いて横になる

さややとひたいをなでられて
なみだが静かにかわくまで
よるのマントを握り締め
二月のよるはあけてゆく
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