形ある蝋燭はいつかは消える/こめ
薄暗い狭い部屋で
僕は机のろうそくの炎見とれて
冷たいため息をはいた
一歩外に出れば広告や店の看板の光で満ちた
都会の光がふってくる
僕はその光から逃げ
自分のぼろい部屋の小さな明かりだけを
頼りに生きていた
眠くなってきた
このままずっと君を見ていたいけど
むりみたいだよ
ゆっくりと光はゆらゆら揺れている
どこに向かうどこに向かう
僕は一体何に悲しんでいたのか
部屋の中には
僕以外の生物は居なく
外の電車のとおる時の雑音と
僕の心臓の鼓動しか聞こえなかった
風船を持っていた僕は
その風船を手放した
風船は空のかなたに消えていった
そのまま宇宙までいったのかな?
薄暗い部屋の中で
今ろうそくが無くなり炎は
ロウの池の中でまだ
ゆれていた
さっきまで形のあった蝋燭が無くなってしまった
僕もすぐにいなくなるのかな
ねえおしえてよ
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