銀色の夏に生まれて/窪ワタル
 
私はいつから「詩」を書くようになったのだろう?書き始めたのは10歳の初夏のこと、テレビで紹介されていた谷川俊太郎氏のソネットに触発され、その作品が収められた文庫本の「谷川俊太郎詩集」を買ったのがきっかけである。だが、その頃私が書いていたのは
いわゆる「ポエム」であり、初めて購読した詩誌も「詩とメルヘン」だった。

「詩とメルヘン」は「ポエム」と絵と物語の雑誌であった。もっとも、10歳の子どもには、それが「ポエム」なのか「現代詩」なのかはまるで分らなかったし「詩とメルヘン」の隣にいつも一冊ずつ並べられていた「現代詩手帖」や「ユリイカ」は到底子どもの読める代物ではなかったのだ。後年になって、分ら
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