形/小太郎
 
味方だと言われれば本気で怒って物だって投げつけた

僕たちは一人だけの幸せに意味がない事を知っていたし
一人だけ幸せになるのはとても悲しいことだと知っていた
海に行くのはひとつでも思い出を増やしたかったから
時間を止められないことも知っていたけど
もしかしたら止められるかもしれないとも 本気で考えていた

見た目じゃなくて中身に自信があったでしょ?
形じゃなくて本当に思ったことを言っていたし
見下してくる大人を一番きらっていた

変わったのはみんなかもしれないし
僕かもしれない

僕だってもうあの頃みたいに
頻繁には笑わなくなったし
もう大きな声で笑えなくなったから



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