カオリン・タウミに捧ぐ/服部 剛
・ )
寂しがり屋のクラクションを鳴らしては
誰かのリアクションを求めた彼は
窮屈な呼吸を繰り返す
日々の束縛から解き放たれて
一瞬の光を残して流星の如く
夜空に消えた
ロッカーズの星になった彼は
今も夜空の何処かで
笑っているだろう
一人の女と幼い子供を残して
旅立った夜空の向こうで
安らかなれ 詩人の魂よ
地上に残された僕等は
月夜の狼となり
寂しさに人のぬくもりを探しながら
詩い続けてゆく
彼が残した流星の残像
光の滲にじむ傷口
今も時々胸に疼(うず)くだろう
夜空に瞬く詩人の魂よ
不器用に
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)