【物語詩】ドリアッド〜Please beloved, Please/AKINONA
それは信頼を分かち合うほど遠ざかる
手にすることの叶わぬ蜃気楼
語れ詩人よ、嘆くが良い
無限の愛へ至る果てしなき道程を
愛しい人は常に傍らにあれど
己が胸に常に燃えるは
叶わぬ夢と虚しい願いのみだということを
愛する人よ
人ならぬ身の、緑の髪の乙女よ
あなたはあたかも森の中に溶け残った淡雪
堅牢で陰鬱な木々達に阻まれ
いまだ春の光を知らずにいる
そして私はかつてこの十二本の弦で
あなたの信頼を手に入れた詩人
だが今や私の胸の誓いが揺れ動く
あなたの碧翠の瞳に見つめられる度に
愛する人よ、許してほしい
決して手折らぬと決めたあなたとの
甘美な日々を夜毎
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