努力家の吸血鬼/初代ドリンク嬢
 
吸血鬼は
何百年もの間
そうやって生きてきた

それが
普通だと思っていたから


でも
ある時その吸血鬼は
考えた

「このままでいいのかな、俺。
恋もできないし、健康的じゃない」

吸血鬼は体質改善を目指した

血液を飲むことを自分に禁じた
くじけそうな時は
テレビや雑誌で
憧れのデパートや遊園地をみて
夢を馳せた

「いつか
この遊園地やデパートで
手をつないで
ステキな彼女とデートをするんだ
コーヒーとかアイスクリームとか食べて」

最初は禁断症状に苦しんだ
血の代わりに
大量の生肉を食べた
生肉は鮮度が悪く
吐き
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