嘘つきは詩人の始まり(下書きよりの抜粋)/窪ワタル
 
「恋してないのに恋の詩がかけるんるんですか?」何年か前にある女性から問われた事がある。その人は小説を書いていて、自分が必ずしも体験していない事も書いているのに、詩は気持を書くもの、そういう気持になるきっかけ、体験や経験がなければ書けないとおもっていたらしい。まったくの誤解なのだけれど、実は根深い誤解であるようにもおもう。小説や、歌詞がそうであるように、詩も、なんら体験や、経験とは別のところから書き始められることは多いのだ。私の経験から云えば、詩は言葉から生まれる。言葉が先にあって、書き進めようとする過程でテーマが見つかる。無線機の周波を合わせるように、言葉を捜してい行くと、結果的に、自分の意識や感
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