時のことば/まきび
けらしか差し上げないから
そんな浅ましい心のあることが
とても悲しくなるのです
この日本中にいえ、世界に
独りっきりの老人がたくさん居ると聞いても
周りには居ないので手の差し出しようもないと
ずっと目をつぶってきたのです
太陽を見てもまぶしく思うだけで
自然への感謝も、誰彼への感謝すら
いつの間にか忘れてしまっていました
ああ 人間は哀しい
わたしは悲しい
しばらくして歩き出すときに
わたしは思いました
小さき心のにんげんならば
小さきことをはじめよう
わたしが誰かのことも考えていられるように
自分のことばかり必死になって
思い上がったりしないように
そっと祈ることからはじめよう
周りを見ることからはじめよう
自分自身を認めることからはじめよう
声をかけることからはじめよう
完璧にはほど遠い
人間という小さい存在だけれども
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